現物分割とは

共有者が共有不動産について共有物分割請求をした場合、分割の方法として、現物分割、代金分割、全面的価格賠償があります。

このうち「現物分割」は、共有不動産を現実的(物理的)に分割する方法です。

現物分割をすると、各共有者は、分割後の不動産の単独所有者となります。

なお、各共有者の持分と、その共有者が取得する(分割後の)不動産の価格に過不足がある場合には、金銭の支払(価格賠償)で調整することもあります。

手続の流れ

共有者が共有不動産について共有物分割請求をした場合、まずは共有者全員で分割の方法について協議を行い、協議が調わないときは裁判を行うことになります。

協議による分割

共有者間で、共有不動産を現物分割する旨の協議が成立すれば、それに従って、共有不動産は現物分割されます。

裁判による分割

裁判になった場合は、裁判所が、如何なる分割の方法を採用するかを決定します(裁判所は、当事者の申立て(希望)に拘束されません)。

そして、裁判所は、原則として(共有不動産の現物分割が可能であり、かつ、現物分割をしてもその価格を著しく減少させるおそれがない限り)、現物分割を採用します。

そこで、裁判になった場合は、現物分割を希望する者は、共有不動産の現物分割が可能であり、かつ、現物分割をしてもその価格を著しく減少させるおそれがないこと等を主張立証して、裁判所が現物分割の方法を採用することを目指すことになります。

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